エレファントガン

【記事】東日本大震災の被害が大きかった岩手、宮城、福島の3県で震災後に職を失い、失業手当を受け取る手続きを行った人が約11万4600人に上ることが5月31日、厚生労働省の集計でわかった。実質的に「震災失業者」を示すこの数字は、震災前の前年同期と比較して2・4倍。4月下旬以降の1か月足らずでも3万人以上増えており、震災が被災地の雇用に甚大な打撃を与え、発生2か月を過ぎても影響が拡大していることが明確になった。震災発生翌日の3月12日から5月26日までの間に、失職や休業で被災3県のハローワークを訪れ、失業手当の受け取りに必要な手続きを行った人数を厚労省が集計した。また、震災発生から4月下旬までに失業手当の受給手続きを行った人数は、岩手1万8934人(4月24日まで)、宮城3万6887人(同22日まで)、福島1万3807人(同24日まで)の計6万9628人。5月13日までの直近の約20日の間に、3県の合計で3万6000人以上が手続きを行ったことになる。さらに厚生労働省などが31日にまとめた東北の4月の有効求人倍率(季節調整値)は0.46倍で、前月より0.03ポイント悪化した。岩手、宮城の落ち込みが際立ち、東日本大震災の影響が顕著になった形。福島を含む被災3県で復興需要による新規求人が伸びたものの、失業などによる新規求職者がそれを上回る規模で増加した。新規求人倍率は被災3県で軒並み悪化した。宮城は0.64倍で0.26ポイント低下した。岩手0.55倍で悪化幅は0.18ポイント、福島は0.74倍で0.05ポイント低下した。福島県では、原発事故で避難している住民が就職を迷って求職票を出していないケースも多いとみられている。福島第1原発に近いハローワークで、震災翌日の3月12日から5月26日の間、雇用保険の給付に必要な離職・休業証明書の交付を受けた人が前年の最大19倍に上ったことが福島労働局の31日の発表で分かっている。有効求人倍率の悪化は新規求職者数の大幅増が原因。宮城は前月比2.4倍の2万3755人で過去最多。福島は75.6%増の1万5636人で、岩手は1万4532人で86.7%増となった。新規求人数は、宮城(1万5223人)が72.2%増、福島(1万1633人)が65.4%増、岩手(7987人)が39.9%増。業種別では復興作業に当たる建設業の増加が目立った。宮城労働局は「夏場には工場などで節電の影響も予想され、今後の雇用は不透明だ」と指摘。岩手労働局は「復興需要がある建設業は未経験者には難しい面もある。ミスマッチをいかになくすかが課題だ」としている。
被災3県の「震災失業者」11万人超える



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